『隣人のゆくえ』梅光開学145年上映を終えて(下巻)

 『隣人のゆくえ』梅光開学145年上映が終わった。かなり疲れたから寝ようとしたが、なかなか眠れない。でもいつの間にか寝ていて、朝まで一度も起きなかった。

 上映後に永年勤続教員の慰労会に招かれた。梅光にいる先生方がほぼ揃う場だった。知らない方ばかりで僕は一人オードブルをつついていたら、先生たちが次々と感想を伝えに来た。初対面の僕を前に目をまっ赤にして、あるいは涙をこぼしながら、感想を言われる。「後半はもう号泣でした」と言う先生の横で別な先生が「最初から最後まで涙が出た」と自慢される(笑)

 これは作品の力というよりは、その人の人生に重ねた想いなのだと僕は思う。梅光の全職員がこの一年堪えがたい日々を乗り越えていることを察してしまう。そんな痛ましい世界の水面下で作られていた『隣人のゆくえ』に触れ、せき止めていたダムがきっと決壊してしまうのだ。「子供たちがあんなに輝いてるなんて」と口々に先生は言う。梅光で拾った石は映画が完成して僕の宝石になったのだけど、その宝石は映画が上映されて今度は先生の宝石になっていた。

 上映前の舞台挨拶で。僕は幾つかの奇跡と苦労を話した。その後半、思い浮かぶ顔の名を一人一人口にした。

 正司さん、竹内くん、平島さん、江藤さん、福田さん、古田さん、岡村さん…

 と呼びながら途中で「ヤバい、オレ泣くぞ」と感じた。ブレーキを踏まなきゃと思い、最後の一人を「辻さん」と呼ばず「辻ポン」と呼んだ。ギリギリ踏み止まった。彼女はいつもそうだった。辻さんはいつもそんなふうにオレを助けてくれたっけ。

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